東北大学 社会にインパクトある研究 持続可能で心豊かな社会の創造

安全安心の実現

多角的視点に立脚した包括的な感染症リスク低減

感染症克服
感染症は、人類によって克服可能と考えられていた時期もあったが、新興感染症※1が次々に出現し、耐性菌※2が増大するなど今なお世界的な脅威である。とりわけ、低・中開発国では未だに死亡原因の多くを感染症が占めている。そればかりか、新型インフルエンザが発生すると全世界で数千万人が死亡するという推計もあり、感染症は人類が直面する最も深刻な脅威の一つである。感染症の基礎研究はこの数十年で飛躍的に進んできているが、現状の抗菌薬・抗ウイルス薬やワクチンの開発のみでは必ずしも問題解決につながらない。感染症の発生および伝播には社会的要因・環境要因などが複雑に絡み合っていることを考慮すると、基礎的研究だけでなく、多角的視点から課題の解決に取り組むことの重要性は明白である。

東北大学は、医学系研究科が中心となって学内の知を結集し、「社会の中の感染症」※3という観点からそのリスクを把握して包括的に評価し、その低減を目指す。具体的には、微生物学的要因・ホスト要因だけでなく、社会的要因・環境要因などを含む多角的な視点からも感染症のリスクを再評価し、リスク低減対策を検討し提言する。この際に、国内での感染症のリスク低減のみを目指すのではなく、低・中開発国の感染症対策やグローバルな視点からの対策が必要な新興感染症などにも積極的に取り組んでいくものとする。

東北大学ではノロウイルスについてはすでに医学系研究科と工学研究科が共同で、ウイルス学的視点からだけではなく環境中のウイルスの動態、コミュニティー内での伝播に影響する様々な要因について検討を行っている。これに農学・薬学・人文社会系などの視点からの解析を加えることにより、インフルエンザ、新興感染症、耐性菌など多様な感染症に対して包括的なリスク低減に資する研究を推進する。これにより最終的に以下のような感染症対策を確立することを目指す;

1)環境要因などの解析による感染症発生リスクの低減

2)感染症の発生に対し早期検知・迅速なワクチン・薬などの開発に対応できる体制の構築

3)感染症・微生物に関するより効果的なリスクコミュニケーション※4のための体制の確立

4)人材育成のための教育


本プロジェクトは、感染症にレジリエントな社会の構築を基本理念として、感染症のリスクを包括的な視点から低減する方策を提言し、日本のみならずグローバルな感染症対策に貢献することを目指す。
※1 新興感染症;新たに発生するか、あるいは新たに地域的に拡大した感染症のことで、近年相次いで出現してきている。(例)SARS、エボラ、ジカなど。
※2 耐性菌:抗菌薬(抗生物質)に耐性を持つ細菌のことで、多くの薬剤に耐性を示す多剤耐性菌などが世界的にも大きな問題となっている。
※3 「社会の中の感染症」:感染症は伝播し、拡散していくということが大きな特徴である。その伝播・拡散には、社会的要因・環境要因など非常に多くの要因が複雑に絡み合っている。にもかかわらず従来の感染症研究では、微生物を社会・環境から切り離して実験室内で扱うという非常に限られた視点からの研究が主に行われてきた。本プロジェクトでは多角的視点から問題解決を目指すため、感染症を社会・環境の中の問題として捉える。
※4 リスクコミュニケーションとは、専門家・行政・一般市民などの間で社会の中のリスクに関して、リアルタイムかつ双方向性の情報共有を行い、合意形成のための意思疎通を図ること。

プロジェクトの概要

社会的課題 感染症は低・中開発国の死因の多数を占め、先進国においても例えば日本人の死因の第三位が肺炎など、今なお世界的脅威である。さらに近年は新興感染症の出現やインフルエンザの脅威、耐性菌の増大など、その脅威が増大している。感染症の発生や伝播は人だけでなく家畜や環境とも関わるため、包括的な視点から対策に取り組む必要がある。
解決の方法 本プロジェクトでは、「社会の中の感染症」という視点から、感染症のリスクを微生物学的要因やホスト要因だけでなく社会的・環境要因を含めて多角的に検討し、対策を提言することで、感染症リスクを低減することを目指す。具体的にはA)感染症の発生リスクの低減、B)感染症の早期検知・早期対応システムの構築、C)リスクコミュニケーションのための体制の確立、D)多角的視点をもった人材育成のための教育、という4つのテーマで研究や対策を推進し、感染症にレジリエントな社会の構築に取り組む。
東北大学の強み 東北大学では、東北感染症危機管理地域ネットワークを構築しており、海外でも感染症に関わる拠点や支援の実績がある。さらに、農学領域の「食と農免疫」やの医工連携による環境中のノロウイルスの研究など、感染症に関わる実践的かつ多角的な研究蓄積がある。
プロジェクトの効果 本プロジェクトを通じて、世界規模の研究ネットワークを構築し、グローバルな感染症対策を確立して発信する。そして、社会や家畜、環境も含めた包括的な対策を実現し、感染症にレジリエントな社会の構築に貢献する。
組織体制 医学系研究科の感染症研究推進センター(仮)を中心に、工学研究科、農学研究科、薬学研究科、人文・社会科学系の研究科、災害科学国際研究所、環境科学研究科等の学内体制を統括し、省庁や行政、国内外の機関と連携してプロジェクトを推進する。

推進責任者| 押谷 仁(医学系研究科)

プロジェクトの資料

A-3グランドデザイン サムネイル
グランドデザイン(PDF)
(2017年11月20日更新版)
A-3研究・実践集 サムネイル
研究・実践集(PDF)
A-3プロジェクトメンバー一覧 サムネイル
プロジェクトメンバー一覧(PDF)

プロジェクトの進捗状況

2017年11月24日 本プロジェクトのグランドデザインを公開しました。
2017年6月13日 本プロジェクトの題目、理念を公開しました。

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